2011/5/1〜色々な「物語」(〜4/30・掲示板開設までの間に)

褒め殺しの哀しさ

web「駒音」に「米長会長礼賛」というスレッドが立っていた。

米長邦雄会長の将棋の話 に「急告・女流棋士再入会(2011.3.27記)」が掲載されている。私も拝読させていただいた。「4月1日になりますと再入会は不可になります」というのは、そもそも、この勧誘の話をLPSAのみなさんがいつ頃から知っていたのか、が判然としないので何とも言えないが、おそらくは3月初旬の「公益社団法人認可」の告知以降、或いは認可を見越して、それこそ非公式に色々な打診は行われていたものと思われる。

そうでなければあまりに性急だ。LPSAのみなさんにとっては「女流棋士としての今後の人生」を考える重要な次の一手が求められている。右から左に「はい、そうですか」という簡単な問題ではない。だから、たかだか数日でいきなり「こういう問題を突き付けた」というのであれば、それはあまりに残酷だ。以下は私の全くの推測だが、米長会長は、そういうことは「抜けてはいない」と、私自身は考えている。この程度のリスク、すなわち、突然話が持ちかけられたというような「想像される批判」について、無理筋を通すということは考えにくい。米長会長は数日前に羽生名人と2時間近く会談の場を持ったことを日記で明かしているが、このあたりのこともおそらくは議題に上ったのではないかと思っている。

正直、私には3月31日が「合流」の最終締切となる理由がよくわからない。「公益法人」になったから、過去には連盟に属していた女流棋士を「入れることができない」という根拠が不明なのである。ただし、私は米長会長が、こういう呼びかけをすること自体は、何ら悪いことではないと考えている。(それを検討する必要な時間が与えられたかどうかという手続き上の問題はあるが)何も、首に縄をつけて引っ張ってくるという話ではない。民間企業にあっては、こういう「人事」というのは、それほど不思議なことではないからである。企業の分社化ひとつ考えてみれば、自身がどちらを選択するかということは、さほど珍しいことでもないからである。

私個人は、女流棋士が「将棋を指すという環境」を大事にするのであれば、ある意味、女流団体は統一された方が望ましいのではないかと考える面がある。しかし「将棋」は指そうと思えば、学ぼうと思えば、連盟組織に属することが唯一絶対ではないということも、一方においてある。こんな上司(という表現が正しいかどうかはわからないが)の下で、そんな気にはなれないという選択肢だって勿論ある。だから、私は、結局は当事者が正に「これから」のことを考え、見極め抜いて、自身にとって正しいと考える選択を行えばいい。北尾さんという棋士が復帰されたようだが、私はこの方を全くといっていいほど存じ上げないけれど、彼女に限らず、例えばLPSAの棋士の誰が「連盟に復帰したからといって」或いは「LPSAを選んだからといって」その棋士を掌を返すように批判したり、また褒め称えたりというつもりは全くない。当事者には当事者の「理由」があるのだろうし、それを尊重したいと考えるからだ。私はそういう「将棋ファン」でありたいと、原則、そのように考えてもいる。

駒音には次のような記述がある。

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8.  古天狗 - 2011/03/27(Sun) 23:17 No.30374 (一部引用)

こんな長を是認する、将棋バカの羽生を筆頭に男性棋士も含めて、
連盟女流にはほとほと愛想が尽きた。

公益移行後は、この日本1・2を争う税金泥棒団体に対し、
国民の権利として断固異議を唱え行動するぞ。

まずは、理事室に乗り込んで会長の資質を問うか! 
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LPSAの人々は、↑のような発言を読んで、どう思うのだろう。私はそういうことを考えてしまう。
まぁ、古天狗氏が「LPSA」を代弁して何かを述べているなどとは全く思ってもいないが、少なくとも石橋さんや中井さんがこのような発言を読んで「快哉を叫ぶ」とは、私には到底考えられない。
将棋を自身の趣味として愛し、様々な対局や観戦から何かを会得した、楽しんできたという者は、こんな無礼なことは書けないと私は確信する。LPSAにとって連盟女流は「敵」ということなのだろうか。

私は米長会長を全面的に支持するという立場をとらない。そのことは「盤側の談話室」でも述べてきた。そしてここでも「米長会長の運営手法について」是々非々という立場をとる方々と、色々とやりとりをさせていただいた。おそらく古天狗氏は「連盟とLPSA」を敵味方という分類にしかみていない。私は、連盟の女流棋士もLPSAの女流棋士も「将棋を愛する」「普及に勤しむ」という点では、その志は同じだと思っている。ただ、そのために求める場が違うということだ。

実はここまで書いて、私はLPSAのHPを確認してみた。古天狗氏たる人物が「ここまで書く」ということは、或いはLPSAが「宣戦布告」でもしたのかな、と考えたのである。(3/28 0:53現在)勿論、そんなことはなかった。静かなものであった。石橋さんは羽曳野さんのマンガ大賞2011受賞を祝い、中井六段の三連覇を喜び、門倉啓太新四段の誕生を祝福している。(ツイッター) 当事者たちの方が遥かに大人という他はない。

中井さんも(ツイッター)では、明るくやりとりをされている。石橋さんも中井さんも今回の地震では対局料や賞金を被災者の方々に寄付された。立派なことだと思う。

古天狗氏は「断固異議を唱え行動するぞ」と宣言し、理事室に乗り込んでと鼻息が荒い。まぁ、そういうことが実現すれば、或いは私の耳にも届くかもしれない。

いずれにしても、この月末には、ひとつの回答が示される。それを待つことにしよう。
私は、古天狗氏の発言を読んで、何かこう「LPSA」という組織も、贔屓の引き倒しに「迷惑している」のではないかと、そんなことを思ってしまった。

                              JC IMPACTU



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