2011/5/1〜色々な「物語」(〜4/30・掲示板開設までの間に)

RADIO AM神戸69時間震災報道の記録

RADIO AM神戸69時間震災報道の記録 という書籍が神戸大学附属図書館からデジタル公開されている。
私は、この書籍を刊行当時、すぐに買い求めた。18,000円+税という、決して安価なものではなかったけれど、何度か、この記録を読み返す機会があった。今回もそうである。

人は、色々なことを忘れてしまう。この本は震災から7年目に刊行された。「一切の脚色をせず、注釈もなく、もちろん自己評価もない放送の記録」というものが、地元のメディア、放送局などで役に立って欲しいと思うし、このような記録を残すということは、微力ではあっても「風化」に対して「抵抗」するということなのだ。

人は、色々なことを忘れてしまう。被災地の状況も、日々の生活の中で当事者の声は、だんだんと世に問われることが薄まり、だからといって、そういう「苦しみ」が軽減されたかといえば、決してそういうことではなく、にもかかわらず、人は色々なことを忘れてしまう。

阪神・淡路大震災(1995年1月)時のPC・インターネット普及率が社会実情データ図 に記されている。また、当時の携帯電話普及率が携帯電話の普及率をグラフ化してみる(2010年版) に示されている。

今日、携帯電話の普及率は、ほぼ100%と申し上げていいのかもしれない。しかし、現実には被災地の方々を中心に必ずしも、携帯電話は通じないという状況が続いている。また、現在でも一部の地域では「発信規制」が行われている。本当の意味での「人と人とのつながり」というものが、問われているのかもしれない。

私自身、今回は、直接的にも間接的にも「現実の被害」に遭遇することはなかった。勤務先でもいくつかの支援の実施を決定しているが、それはそれとして「遭遇することはなかった」からこそ、考えなければいけないこと、私個人の「支援のかたち」も含めて、ささやかなことについて、いくつかを行った。些かの不便はあるもののそんなものは「たいしたことではない」

しばらくは続けていきたいと思っている。

先人が経験してきたことに比べれば、変化のない日常に過ごす人々の「多少の不便」など、そんなことを口にすれば笑われる。軽蔑される。その「さもしさ」をおそらくは嘆き哀しむだろう。

人は色々なことを忘れてしまう。私はそのことに抗いたい。

                                     JC IMPACTU



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